天職

2012年07月03日

人は必ず何かを背負いながら生きています。昨日、昔から当社の事を良く知っている大工さんと現場で打合せする機会があり、私の顔を見るなり、
「何代目になるの?」
と質問されたので、素直にお答えすると、
「大変やろう!今の時代は!!」
と聞かれ、
「そうですかね?大変な想いはしていませんよ。」
と話し返すと、大工さんは何も言わずに打合せを始められました。
私は昔の業界を知りません。社会人になった16年前と比較する事は可能ですが、違いを一言で言うならば、新たに建築する建物が法規に則り設計されて、申請が通過した設計図書に基づき施工しなければならない義務を、我々業者側が認識して活動しているかどうかだと思います。それを大工さんは「大変だ」という表現をされているのでしょうか?
私もメーカー時代に経験した事はありますが、お客様のご意向を伺わず、仕様や色目まで全て業者側で決定している現場に良く立ち会う機会がありました。
(高い費用を出しているのに、よっぽどお客様からの信頼がある方なんだなぁ…)
と思っていたのですが、今でも同じような仕様決定をされている工務店と打合せをしていると、自身の経験だけで判断されておられて、後でしっぺ返しを受けておられる方が多いようです。
パナソニックの松下幸之助 社主は「住まいは人間形成の道場」と位置付け、住まいの大切さを提唱しながらも、空間を創造し、施工する私達に住まいと関わっていく責任を説いておられました。昨日も営業活動の中で、色々な気付きをいただけたのですが、この基本を忘れてはなりませんね。
会社を継承した事は、重荷だと感じたり、後悔した事はありません。むしろ先代、先祖から天職を与えていただけた喜びの方が強いんです。これからもお客様からのご要望にしっかり向き合って、素直に活動していきます。


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